猩々通信
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愛問答2

2000 by 猩々

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親指で
タッチタイプの
ポケボード
妖しく撫でる
ラメの白魚

忙しなく
新聞括る
サラリーマン
狂気の沙汰の
満員電車

両脇の
夫婦の会話
頭越し
依怙地になって
座り続ける

サッパリと
髪を手前の
バリカンで
ようよう春は
三寒の中

山の機を
逃し彷徨う
雨の街
枝垂れ紅梅
三分の綻び

酒が切れ
煙草も切れて
本も切れ
眠れぬ夜の
みそひともんじ

汁碗を
左に置きなし
犬喰す
哀れ牛丼
餌と成りなん

一番の
蒲公英の咲く
上宮の
小さな社
豆の狛犬

福寿草
接写をすれば
電池切れ
思い立っての
野川のハイク

涸細る
野川をいざる
鴨の群
裸木で昼寝
カワヒナの群

安くとも
仕事のあるを
感謝しつ
電車に微睡む
閏日の朝

運が良く
美女の隣の
席が空き
通勤電車
閏日の朝

寝た振りを
余儀なくされる
目の前の
むき出しの脚
満員電車

澄み渡る
弥生の空の
枝垂れ梅
町の歩道に
遊ぶ鶺鴒

花束の
ポスター貼った
喫茶店
時計の日付
二日送った

パソコンに
悪戦苦闘
夜も明けて
漬け菜を摘む
啓蟄の朝

春風は
後詰の将軍
引き戻し
重ね着をする
三寒の夕

早々と
片付けられた
雛の壇
天神様の
白酒残る

春風に
よろめく我が身
情け無や
寝そべる犬に
ジロリ見られた

寒空に
隣の猫も
冬篭り
伸び放題の
燕麦の苗

鵯が
恋啼をする
雨の日の
大学前の
部屋の斡旋

下手糞な
鴬の鳴く
大嵐山
時計睨んで
思案のし所

只一人
高尾の山の
花筵
下手な鴬
こりゃ時鳥

長虫に
蹈鞴を踏んだ
沢の道
花の香りに
包まれた谷

風起きて
蛙鳴き出す
登山口
侭よ何時もの
回峰ハイク

立ち止まり
翡翠を見る
橋の上
空は曇より
梅雨入り間近

良く聴けば
特許許可局
啼く鳥の
高尾の山は
今日は疲れた

大はずれ
天気予報は
雨なのに
平地歩けば
昼顔の咲く

カラの啼く
街の並木の
雫雨
颯爽と行く
自転車のミニ

路地裏に
紫陽花の咲く
雨上り
山の尾根路
吾を誘う

宝鈬と
稚児百合の花
風そよぐ
彼の日彼の山
この尾根道の

あちこちと
探し歩いた
その昔
お遍路の道
苺たわわに

そこはかと
探しあぐねし
いにしえの
歴程の道
そは漆道

ようのこと
探しだしたる
お遍路路
八十八番
円く結ばる

ガレ薮に
捜しあぐねた
分岐点
連番結ぶ
巡礼の道

山道に
三つ四つの
落し文
高尾巡礼
行者の小道

蘭纏う
谷間の杉や
時鳥
外国人は
眇め眺むる

木苺を
むさぼり食った
支払は
腕腹首の
赤き斑点

自転車に
従う犬は
尾を立てて
梅雨空のもと
スキップしてた

朝顔の
小鉢ぽつねん
ベランダの
野草に埋もれ
梅雨を向かえん

鳰遊ぶ
コンクリートの
神田川
水道橋に
初夏の小波

マッチある?
奴と出会いの
JAZZ喫茶
水道橋を
タグボートが行く

楽しみを
先送りする
梅雨の空
ストーブ買った
ラーメン買った

安売の
ストーブを得て
山支度
梅雨入前の
明日は晴れろと

古の
お遍路道は
薮の中
見事に咲いた
漆の斑点

紫陽花の
水行小屋に
笑い声
濡れた石段
マイマイの這う

梅雨晴れて
蛍袋の
巡礼路
ストーブ付けた
ラーメン食った

梅雨晴れて
高尾の山に
いざ行かむ
ストーブ中々
ラーメン上々

茫々の
鉢に水やる
夏至の朝
漆の被れ
未だ直らず