高柄の 山に啼く鳥 月日星 汗でずぶ濡れ 天然クーラー 迷い出た 洗濯岩の 滝の口 ロープで下る 栃穴の谷 猪を 語る農夫の 藁帽子 迷子の我等 顔を見合わす 野宿覚悟と 帰りに聞いた 合歓の花咲く 桂川 台風を TVは報ず 秋の朝 無数に空いた 蝉の出た穴 売れ残る 五割引なる アロハシャツ 脚を引きずる スーパー巡り 蟋蟀が ベランダで鳴く 盆休み 山の支度に 汗濁の夜 イソゲホラ イソゲホラホラ 発車の調べ 冷やし狸も 味わえぬ朝 縁の下 篭の虫鳴く 残暑かな ガードの下で 寝起きする人 夕暮れて 青松虫と 蝉の声 嵐の雨の 大学通り 嵐来る 何故か懐かし 秋の朝 路地の雨風 コーヒーショップ 見上げれば 八日の月頃 新眼鏡 大学通り 青某の鳴く 夏草を 鎌で払って 進む道 ケーブルカーの 発車のベルが 踏ん切りを 付けて高尾に いざ行かん 支度そこそこ 晴天の朝 納涼の 歌声高く 日影沢 山岳会の 宴もたけなわ 集く蟋蟀 寝茣蓙で聞いて 長袖寝巻 着込む夜 回峰の 終わりは何時も 観光地 山も楽しい 人も恋しい 鶴穂咲く 鉢のベランダ 草だらけ 空は鈍より 山行の朝 鎌を研ぐ 剃刀を研ぐ ナイフ研ぐ うって変わって 俄雨の日 日曜の 朝のパズルの 新聞紙 ひねくれ題に トイレでいきむ 一つ二つと 衣紋を掛て 愛の五線譜 女郎蜘蛛 蜘蛛蠍 座頭虫との 図鑑有り 眼鏡外して 脚を数える 飼い主は チビ放浪で ミー迷子 虫の草叢 福島訛り あてどなく 山に入れば 小雨降る 玉紫陽花を 辿る山道 廃道の 行く先々に 女郎蜘蛛 蜘蛛合戦の 思い巡らす 蜜蜂が 営巣してると 山道の 知らせの脇の 紫陽花の花 風雨が 止んで蟋蟀 集く夜 不気味なまでの 街の静けさ カポックの 天然如雨露ば 給いしに 嵐の風おば 吹き飛ばしおる 概要が 決まりサイトを 開く朝 西風強く 台風迫る タクワンと 大書の札 店先に 家栗竝ぶ 山には通草 熊野社の 判じ灯篭 天気雨 一升寄進の 半紙は濡れる 宵宮の 知らせの花火 秋の空 モンゴル力士 活躍の頃 山栗の 富士見の沢の 四阿に ラーメンを煮る ストーブの音 唯靜か 滝の音だけ 山の秋 着替え着尽し 下る山道 田の畦を 炎で繋ぐ 曼珠沙華 リタイヤの山 小綬鶏誘う 公園に 枯葉舞散る 昼下がり ノースリーブの 日傘さす女 擦傷が 癒えてガレ場を 思い出す 転がり落ちた 蝉の鳴く山 捏ね廻し 文字のパズルは 元の侭 静寂破る 蟋蟀の声 椋鳥が たわわに実る 竹林 白粉花を 聞いた夕暮れ 行き摩りの 男二人が 屈み込む 水晶蘭に 夕闇迫る 山道に 通草を拾う 三つ四つ Cのポストの 雉の鳴き声 中日の 車窓に臨む 白い富士 秋津飛び交う 晴天の朝 萩餅と 花束を売る 山の駅 部活の女生徒 バスを待つ列 夕闇に 担ぎ万度 練り歩く エイサホイサと 谷保の天神 裏日れた 軒に四阿 黄金蜘蛛 ラーメンを煮る 吾また一人 股広げ 漫画に更ける 女子校生 外は秋霖 ドトールの朝 雨具減り 軽めのリュック 駅の蕎麦 臨時列車に 残すコロッケ 沢沿いの ベンチで老女 指数え 睨む虚空の 秋色深し 萩の咲く 頂の鳩 掌 地豆啄む 長袖寒し 赤飯と 巻繊汁の 誕生日 リボンの包 シャツと靴下 一葉の 戀愛日記 書肆の秋 レジの女性の たおやかな声 百円の 酒饅頭の 山の店 珈琲沸かす 景信の午後 |