ジュウニオイ ボタンにシダレ メイゲツと ソメイヨシノは 葉桜フェステ 背君の 著書を薦める 老婦人 旅の思い出 フリマに竝ぶ 割箸を 客に始末の 小竹林 折って戻した 気に喰わぬ蕎麦 牡丹咲く コンドミニアム 春の風 巨大マンション 新緑の中 春コート 腕に抱えて 昼の街 ミスドで食べる 粽の飲茶 花水木 団扇太鼓が 折り返す 駅へと向かう ピッチが上がる 躙り寄る 鸚哥を高く 翳し上げ 壬生菜の湯飯 花冷えの朝 新緑に ラジカセの音 武蔵野の 公益質屋 行きつ戻りつ 百円の 飯屋で頼む 珈琲を テイクアウトす ドトールのコップ 笋の 蕎麦を掻き込む 朝の駅 汁が点々 白いジャケット 化粧直して 携帯開き ペットボトルを 飲む女 飛魚の 骨抜乍 飲む酒と TVの蹴球 忙しい夜 耶悉茗の 花の垣根で 黒虎と 雨雲見上げ 欠伸する午後 製麺の 箱も吹っ飛ぶ 天狗風 仏頂面の 中華屋の主 ぶっ玉消 冷し狸の 豪華版 ぶっ掛け蕎麦の 立身出世 皿蕎麦は 猪口に着く間に ちょん切れて 百円飯屋 梧鼠の逸品 皋咲く 飲茶の店の 待ち惚け ヘリの旋回 曇拠の空 十時待 ドトールの店 空っ腹 窓は葉桜 鴨脚の端葉 無印の パンツを買って 雨の中 歩く同輩 交わす挨拶 洋花に 揚羽の止まる 雨上がり 御かかの乗った 力蕎麦喰う 新人が 不細工に乗る 朝電車 不動だったり 蹌踉けてみたり ジャケットを 綺麗に畳み デバックへ ロン毛迷パン 緑い目を剥く 作務衣着て 燭台磨く 寺の縁 にょっきり伸びた 道端の筍 啄木鳥の 音谺する 城の跡 さあ登るぞと ズボン引き上げ 宝鐸と 稚児百合の咲く 山の尾根 一年経った 山の坂道 一服の 尾根の山道 花筵 引っ切り無しに 鶯の声 木苺の 未熟を思わず 頬張れば 次から次と 喰意地の口 踏み締める 独鈷の峰に 杖の跡 落葉を被る 寒葵の花 熊ん蜂 関板峠で リタイヤし ストーブ出して ラーメンを煮る 摺指の 豆腐は既に 売り切れて とぼとぼ歩く 山里の路 噛み殺す 山の帰りの 生欠伸 向いの美人 脚組み替えす 赤虎は ベランダ越しに 覗き見て 初夏はもう直 鸚哥囀る 子供等は 半裸になって 水遊び 話続ける アンとミッシェル 多摩川の 彼方と離れ 独り聳つ 浅間山に 黄菅花咲く 霊園に 狛犬を見て 通り抜け 浅間山に 筋雲懸かる 正午晴 自動梵鐘 永福寺 もしもし話す メリケンキッド 公園の タンクトップの スケーター バーベキューの 煙棚引く 枯れ水の 野川の空に 鯉幟 行蟹捕りの 尾骨出す親 連休の 谷間の朝の 並木道 鷽鳥は啼く 強張った脚 薬味入 砦で囲む 糠胡瓜 醤油ではぐす 鸚哥の飛来 |